Cursorの無料プラン・有料プランどっちを選べばいい?

Cursor(カーソル、カーサー)は AI がコードを書くのを手伝ってくれるプログラミング用の開発ツールです。

無料でどこまでできるのか?
有料にするべきか?
それぞれのプランの違いは?

今回は、そんな疑問にお答えする形で、Cursor の料金プランや使える機能の違いを解説します。

結論から言うと、学習用途や趣味のプログラミングであれば、Hobby(無料) プラン、毎日 8 時間は使うという場合であれば Pro プランです。

Cursor のプラン

Cursor には Hobby(無料) プラン、Pro プラン、Business プランがあります。ここでは無料プランと Pro プランについて比較します。

機能HobbyPro
価格無料20 ドル (2,000~3,000 円)
コード補完2,000 回無制限
高速プレミアムリクエスト月に 500 回
低速プレミアムリクエスト50 回無制限
Max Mode利用可能

Hobby (無料) プランでできること

  • Pro 版の一部機能を 2 週間トライアルを利用できます。
    後述する Max モードや Thinking モードは使えませんが、補完機能やチャット機能は使えます。
  • 2000 回の補完機能を利用できます。
    補完機能とは、プログラムを編集しているときに AI が「次はこれでしょ」とプログラマーのやりたいことを推測して提案してくれる機能です。
  • 50 回の低速プレミアムリクエストを利用できます。この回数のことをここではクレジットと呼ぶことにします。

プレミアムとは何かというと、最新の AI モデルのことを Cursor では「プレミアムモデル」と呼んでおり、それを使うことをリクエストと言います。低速とは、ディズニーランドの行列の一番後ろに並んで順番待ちするようなもの。時間帯によりますが十数秒〜数分待たされます。

つまり最新の AI を使って、何かしようと思うと結構待たされるということです。また、その回数も 50 クレジットまでです。クレジットが消費されない無料モデルもあり、これはあまり待たされませんが、最新モデルと比較すると性能がやや劣ります。

Hobby プランと Pro プランの一番の違いは、プレミアムモデルを高速でどれぐらい使えるかというところが最も大きな違いだと思います。

Hobby の名の通り、趣味や学習で行うプログラミングであれば無料で使い続けられる可能性が高いです。業務で使うとなればちょっと物足りません。

Pro プランでできること

  • Hobby プランの全ての機能に加えて、以下の機能が利用できます。
  • 補完機能が無制限で利用できます。
  • 月に 500 回の高速プレミアムリクエストが利用できます。
    ディズニーランドのプレミアムアクセス (有料) を使って列に並ばずにアトラクションを楽しめるという感じです。それが 500 クレジットまで使えます。
  • 無制限の低速プレミアムリクエストが利用できます。
    これは高速リクエストを使い果たしても、列の後ろに並べばプレミアムモデルを使えるということです。高速リクエストを使い果たした場合に自動的に低速モードに切り替わり、追加の支払いをせずにプレミアムモデルを使えます。(高速リクエストしたい場合は追加の支払いを行います)
  • Thinking モードが使えます。(後述)
  • Max Mode が使えます。(後述)

クレジットが消費されるタイミング

カーソルではモードや使用するモデルによってクレジット消費のコストが変わります。

モデルごとのコストは https://docs.cursor.com/models#models で確認できます。

ノーマルモード

特に何も指定せず、AI にリクエストをする時のモードです。基本的に 1 回のリクエストでクレジットが 1 消費されます。上の図の①がノーマルモードのコストです。

1 回のリクエストではツールの呼び出しが 25 回行われます。 ツールとは AI が活動するために使う各種機能でファイルを検索したり、ファイルの中身を調べたり、コマンドを実行したり、という処理を行うためのものです。

複雑な処理になって 25 回を超えると一度そこで処理が止まります。引き続き処理したい場合はクレジットをもう一度消費して続きを行います。

②のように free と書いてあるモデルは、クレジットを消費せずに使えます。学習用途や趣味のプログラミングであれば このモデルでも十分です。つまり無料でカーソルを使い続けることもできてしまうわけです。

Thinking モード

Thinking (思考) モード を有効にすると、より深く推論、より大きな文脈 (コンテキスト) で処理するモードです。複数のファイルに跨がる処理やコードの量が多いとき、複雑な処理を行うときに利用します。クレジットコストが 2 倍になります。AI がより大きな文脈で推論を行うので、期待する結果になる可能性が上がります。

Thinking モードを使えるのは下の図の脳みそアイコンが表示されているモデルです。例えば GPT 4.1 では使えません。その隣の「M」は Max Mode が使えるモデルです。∞(無限) アイコンはツールが使えるモードです。

Max Mode

Max Mode はさらに高度な処理を行いたいときに使うモードです。③にチェックを入れると表示が切り替わります。

このモードはさらに大きな文脈を読み取ることができ、ツールの呼び出しも 200 回まで行えます。1 リクエストで クレジットを 1 消費する、というパターンとは違って、どのような処理を行ったかによって、消費されるクレジットが計算されます。 早い話、最高性能だけどめちゃくちゃ多くのコストを消費するモードというわけです。

このようにモデルやモードによって、消費クレジットが変わりますが、どのモデル・モードでどれぐらい消費されるかは、いちいち覚えておく必要はありません。Cursor のモデル選択時にツールチップで表示されます。

下の図の場合は 1 回のリクエストで 0.75 クレジット表示されます。(通常は 1 リクエスト、1 クレジット消費ですが、たまにキャンペーン的なもので安く使えることがあります)

使用量を確認する

クレジット残高が後どれくらいあるかはダッシュボード画面で確認できます。クレジット残高が後どれくらいあるかはダッシュボード画面で確認できます。この画面を開くためには ① 画面右上の歯車アイコンをクリックし、② 「Cursor Settings」「GEneral」「Manage Account」の中の「Open」をクリックします。

Screenshot

下図では 500 回のプレミアムリクエストのうち 2 回使っている、ということを表しています。その隣の「Usage-Based Spend」は従量課金に関する設定です。これは次の項で解説します。

ダッシュボード画面ではいつどのモデル・モードを使ったかもわかります。

Max Mode だと高コストだというのが分かりますね。通常は 1 リクエスト 1 クレジット程度なのに 10 倍以上の消費量です。ご利用は計画的に。

リクエスト残高が更新されるタイミング

プランを最初に設定した日に更新されます。例えば 4 月 20 日にプランに登録したら 5 月 20 日にリセットされます。Hobby プランであれば 50 回の低速プレミアムリクエスト、Pro プランであれば 500 回の高速プレミアムリクエストのリクエスト残高が回復します。

下の図の場合「最後のリセットは 2025 年 6 月 12 日に行われた」と書いてあります。つまり次は 7 月 12 日に残高が回復します。

高速プレミアムリクエストの制限に達した場合

Pro プランでは 500 回の高速プレミアムリクエストが利用できます。これを超えた場合は 2 つの選択肢があります。

  1. 低速プレミアムリクエストで使う
  2. 従量課金設定する

この設定は Cursor ダッシュボードの設定画面で行います。
https://www.cursor.com/ja/dashboard?tab=settings

「Enable usage-based pricing」のチェックが外れていれば低速プレミアムリクエストになります。

チェックを入れると月ごとの上限金額を入力できるようになります。下図では $50 を設定しています。入力したら Save ボタンを押します。

自前 API キーという選択肢

AI モデルは Cursor のクレジットを介さずに API キーを使って利用することも出来ます。API とはあるアプリケーションからその外部のアプリケーションと連携するための手段のことで、キーとはそれを使うときに必要になる「その人本人だ」という証明のために使う鍵のことです。

つまり、Cursor のクレジットの枠にとらわれず、自らの管理下でコストを調整できるというわけです。

例えば OpenAI であれば下図のような画面で設定します。
https://platform.openai.com/settings/organization/api-keys

具体的な設定方法はここでは割愛しますが、以下のようなメリットがあります。

自前 API のメリット

コスト管理の柔軟性

自前の API キーを使う最大のメリットは、コスト管理の柔軟性です。使った分だけ払うから、あまり使わない場合は、Cursor Pro より安くなる可能性があります。Cursor をたまにしか使わない場合で Hobby プランのプレミアムアクセス回数制限を超えてしまったときにプレミアムモデルを使いたい場合に有効です。

使用量の制限なし

自前 API キーを使う場合、OpenAI や Anthropic などのプロバイダーの制限内であれば、使い放題です。Cursor Pro のような月間の制限を気にする必要がなく、必要な分だけ使えます。

複数プラットフォームでの一元管理

同じ API キーを Cursor 以外のアプリやサービスでも使っている場合、使った分をまとめて管理できるメリットがあります。例えば、OpenAI の API キーを Cursor と ChatGPT の Playground の両方で使っている場合、総使用量を簡単に把握できます。

企業のコンプライアンス要件への対応

一部の企業では、セキュリティやコンプライアンス上の理由から、自社で管理している API キーを使うことを要求される場合があります。自前 API キーオプションを使えば、こうした要件に対応しつつ、Cursor の機能を活用することができます。

自前 API のデメリット

すべてのモデルが API キーでサポートされているわけではありません。例えば、OpenAI の推論モデルは以前は特別な設定が必要で、API キーでサポートされていないことがあります。

Pro プランと自前 API どちらを選ぶべきか?

Cursor Pro を選ぶべき場合

  • 頻繁に Cursor を使う
    毎日数時間 Cursor を使用する場合、月額 20 ドルの価格はわりと適切だと思います
  • API キー設定や管理の手間を省きたい
  • プレミアムモデルへの安定したアクセス
    高速レスポンスが必要な場合や、負荷の高い時間帯でも安定したパフォーマンスが欲しい

自前 API キーを選ぶべき場合

  • 使用頻度が少ない
  • プレミアムモデルはあまり使わない
  • API キーを一元管理したい
  • 自社で管理する API キーの使用が求められる場合。

個人的な見解

といわれてもどのプランにすれば? と思いますよね。個人的には毎日フルタイムで Cursor を使うのであれば Pro プラン、そこまで使わないよ、という場合はひとまず Hobby プランにしておき、物足りなくなった場合に Pro プランか自前 API を検討するとよいでしょう。API 設定なんてよくわからん! という場合は Pro プラン一択です。